「土地売却するときは何から始めればいい?」「土地売却はどこに依頼すればいい?」「なるべく高く売りたい」

初めて土地売却する人の中には「何から始めていいのかわからない」人も多いでしょう。土地売却するときは、まずは不動産会社へ査定を依頼するのが一般的です。初めて土地売却する人へ向けて、この記事では下記の内容を解説します。
- 土地売却の方法と流れ
- 土地売却にかかる費用や税金について
- 土地売却の注意点
- 土地をできるだけ高く売るコツ
土地売却の方法や売却までの流れを把握しておけば、効率よくスムーズに売却できるなります。しっかりと覚えておきましょう。
もくじ
土地売却の方法と流れを解説

初めて土地売却する人の中には、どういった手順で進めていけばいいのか分からずに悩んでいる人も多いでしょう。土地売却の方法と売却までの流れを詳しく解説します。
土地売却に必要な書類を事前に用意しておく
まず、土地売却に必要な書類を事前に用意しておきましょう。事前に準備しておくと査定から売却までの流れがスムーズです。

- 権利書または登記識別情報通知書
- 固定資産税納税通知書もしくは固定資産税評価証明書
- 測量図
- 身分証明書
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
身分証以外は普段使わない書類が多く、所在が分からない人も多いでしょう。また、万が一紛失していた場合、再発行に時間がかかる書類もあります。それぞれの詳細と、発行の方法を含めて解説します。
権利証または登記識別情報通知書
権利証と登記識別情報通知書は土地を所有している証明書で、土地売買の際には必ず必要です。法改正により2005年3月7日より権利証は登記識別情報通知書に変わっているため、いずれかを用意出来れば問題ありません。

土地売却をしたいのに紛失している場合は、司法書士による本人確認情報の作成が必要になります。
参照元URL:法務省「新不動産登記法Q&A」
参照元URL:法務省「登記識別情報を紛失したのですが,どうしたらよいのですか? (情報番号1311 全2頁)」
固定資産税納税通知書
土地売却の際には、固定資産額を買主に示す必要があります。毎年の固定資産税の支払い後に、支払いの証明書として送付されるのが固定資産納税通知書で、通知書から固定資産税に関する詳細を確認できます。
自治体によって異なりますが、固定資産税納税通知書は毎年4月から6月頃に送付される書類です。もし紛失している場合は、固定資産評価証明書でも代用可能です。
固定資産評価証明書を発行したい場合は、数百円程度で各市町村役場から取得できます。

測量図
測量図は土地の境界線を示した書類です。測量図がなくても売買自体は可能ですが、土地の売買では数cmの違いが数百万円の違いになる場合もあるため、測量図のない土地は買い手がつかない可能性があります。
特に住宅地の場合、隣家とのトラブルが発生する可能性もあり、境界線が客観的に明確に示されている書類の準備が大切です。ただし、田舎や地方の広大な土地であれば、必要ない場合もあります。

本人確認書類
土地売買はやり取りする金額が大きくなるため、身元確認ができる書類が必要です。具体的にはマイナンバーカードをはじめとした身分証明書のほか、住民票や印鑑証明を用意します。
契約書では署名のほかに実印も必要になりますが、使用される実印が正当なものであるかどうかを証明するため、印鑑証明の提出が求められます。
不動産会社に土地の査定を依頼する
土地売却に必要な書類がそろったら、不動産会社へ土地の査定を依頼します。このとき一社だけに依頼するのではなく、必ず複数社へ依頼しましょう。土地の査定額は一定ではなく、不動産会社によってばらつきがあるためです。
なるべく多くの不動産会社へ査定してもらい、複数社の査定額が分かると、初めて土地相場が把握できます。このとき、不動産一括査定サイトを利用すると一度に複数社へ依頼できるためおすすめです。
また、土地価格のおおまかな相場は自分で調べられるため、余裕があれば調べておくとよいでしょう。土地価格の相場の調べ方は下記の4つの方法があります。
- 実勢価格
- 地価公示価格
- 相続税評価額
- 固定資産税評価額
上記価格は土地総合情報システムや全国地価マップで簡単に調べられます。

「土地売却 相場」の内部リンクを入れる
不動産会社と媒介契約を結ぶ
土地の査定結果が出たら複数社の査定額や担当者の対応などを比較し、実際に契約する不動産会社を決めましょう。
不動産会社が決まったら媒介契約を結びます。媒介契約とは、売主と不動産会社との間でトラブルが起きないためにあらかじめ売買条件などを明確にして締結する契約です。
媒介契約には下記の3種類があり、売主は好きな方法を選んで契約できます。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの違いは下記の通りです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
自力で買主を探す | できる | できる | できない |
複数の不動産会社へ依頼 | できる | 一社のみ | 一社のみ |
有効期限 | なし | 最大3ヶ月 | 最大3ヶ月 |
不動産会社から売主への状況報告 | 報告義務はない | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
REINSへの登録義務 | 登録義務はない | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 |
REINSとは、国土交通省が指定した不動産流通機構が運営する不動産流通標準情報システムです。

上記の表を見てわかる通り、専任媒介や専属専任媒介の方が積極的に売却活動をしてくれるため、買主が見つかる可能性が高くなります。しかし、一般媒介契約がおすすめの場合もあるため、それぞれの違いをよく理解して媒介契約を結ぶようにしましょう。
一般媒介契約
一般媒介契約は需要の高い土地でおすすめできる契約です。複数の不動産業者が同時に販売活動をできる一般媒介契約は、買い手をより多く引き付けられる可能性が高まります。また人気が高い土地ほど不動産業者同士が競争するため、高値で売却できる契約方法です。
しかし、不動産業者同士が競い合うのは人気がある土地に限られます。
売却活動の報告を売主にする必要がなく、不動産会社が動いてくれているのかが分からない一般媒介契約は、不動産会社が積極的に販促活動をしてくれない可能性もあります。
専任媒介契約
専任媒介契約は、早期に売却先を見つけやすい契約です。専任媒介契約を結んだ不動産業者は販促活動を一社独占で実施できるため、積極的に動いてくれます。また、REINSへの登録義務もあるため露出機会が多く、幅広く土地が売りに出されている告知をできます。
さらに、売主は自分自身で買主を見つけられるため、買主を見つけられる可能性が最も高い契約方法です。
REINSへの登録が義務付けられているため、売りに出している事実を知られたくない事情がある人は注意しましょう。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、不動産会社に売却活動を一任してしまいたい人に向いています。専任媒介契約同様に一社としか契約ができないため、不動産会社が積極的に販促活動をしてくれる点は同じです。
専任媒介契約と異なるのは、売主自身で買主を見つけられない点と、専任媒介契約よりも売主への報告頻度が高く、売却活動の詳細を把握しやすい点です。
専任媒介契約よりも安心して不動産会社に売却活動を任せられるので、売却活動に時間を使えない人にも向いています。
参照URL:公益社団法人全日本不動産協会「一般媒介契約について」
土地売却活動を始める
不動産会社と媒介契約を結んだら、売出し価格を決めて売却活動を始めます。

しかし、購入希望者が土地の見学に来た場合は立会いが必要です。せっかく見学に来た人の購入意欲が削がれないように、事前に土地の雑草やゴミの手入れはしておきましょう。
買主と売買契約を結ぶ
購入希望者が現れたら価格や条件を交渉しましょう。そして買主が決まれば売買契約を結び、手続きに入ります。必要な書類は「土地売却で必要な書類を用意しておく」の項で解説した通りで、書類を用意できないと契約を進められません。
不動産会社によっては代理で用意してくれたり、ほかにも書類の提出を求められたりする場合もあるので、売買契約を結ぶ前に不動産会社に確認しておくようにしましょう。
土地を引き渡し売却完了
代金の受け取りと同時に土地の引き渡しとなります。必要書類と一緒に土地を引き渡したら売却完了となります。
土地売却にかかる費用や税金について

土地売却にはさまざまな費用が必要です。また、土地売却で得た所得は課税対象となるため税金の支払い義務が発生します。土地売却に関する費用や税金について解説します。
土地売却にかかる費用
土地売却したときは不動産会社への仲介手数料が必要になります。
また、下記のような費用も必要に応じて発生します。
- 測量費用:30万円〜
- 解体費用:100万円〜
- 抵当権抹消費用:1万5千円程度
- 地盤調査費用:5万円程度
土地売却後に発生する税金
土地売却後に発生する税金は下記の通りです。
- 印紙税
- 譲渡所得税(所得税・住民税)
- 抵当権抹消の登録免許税
印紙税とは不動産売買契約書に貼り付ける収入印紙の金額です。印紙税は売却した土地の価格によって変動します。

売却価格 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円〜50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円〜100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円〜500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円〜1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円〜5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円〜1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円〜5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
5億円〜10億円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
10億円〜50億円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
50億円以上 | 600,000円 | 480,000円 |
※参照元:国税庁『「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について』』
不動産売買における印紙税は軽減措置が設けられており、平成26年4月1日〜令和6年3月31日までは軽減税率が適用されます。
譲渡所得とは不動産売却時に得た利益にかかる税金です。土地売却して利益を得た場合も納税義務が生じます。抵当権抹消の登録免許税は不動産1件につき1,000円の費用が発生します。
土地売却の注意点とは

土地を売却するときに注意すべきポイントを解説します。
隣接地との境界を明確にしておく
土地売却するときは、隣接地との境界を明確にしておく必要があります。

境界が明確になっていないとトラブルの原因になる可能性があるため、正確な境界と面積把握のため測量を求められます。
境界を明確にするために、境界標の設置と隣接地との境界が明記されている確定測量図が必要です。境界標の設置は土地家屋調査士へ依頼し、確定測量図は測量会社へ依頼すると手に入ります。なお境界標や確定測量図の取得には数十万円の費用がかかります。
瑕疵はないか確認しておく
売却する土地に瑕疵(不具合)がないか必ず確認しておきましょう。瑕疵を黙って買主へ引き渡すと後々トラブルになる可能性があります。
最悪の場合、契約不適合責任となり損害賠償請求を負うことになりかねません。浄土汚染や地中埋設物などが土地の瑕疵にあたります。

ローンは完済しているか確認しておく
基本的にはローンが残っている土地は抵当権が設定されているため売却できません。そのためローン残債務を一括返済して抵当権を抹消する必要があります。
また、土地売却した代金でローン残債がまかなえれば、新たに資金を要する必要はありません。しかし売却代金がローン残債を下回った場合は、足りない金額を自己資金から用意するか、再度ローンを組む必要があります。
土地売却する前には、必ず「ローンは完済しているか」「ローン残債はどれくらい残っているのか」を把握しておきましょう。
土地売却した翌年は確定申告をする
土地売却で得たお金は譲渡所得と言われる所得に分類されます。そして譲渡所得は課税対象であるため、利益が出た場合は税金の支払い義務が生じるため、土地売却した翌年は必ず確定申告しましょう。

また、利益が出ていない場合も特例によって税金が安くなる可能性があるため、確定申告節税の観点からも大切です。譲渡所得の税率は土地を所有していた期間によって変動します。
所有期間5年以内の場合:30%
所有期間5年以上の場合:15%

土地の売却金額−取得費−譲渡費用=譲渡所得
※取得費とは土地を購入した時の費用やそのときにかかった費用を指します。
※譲渡費用とは土地売却にかかった費用(手数料や測量費など)を指します。
土地をできるだけ高く売却する売るためのコツを解説

できるだけ高く土地を売却するためのコツを紹介します。
土地売却相場を把握しておく
土地の相場価格を把握しておかないと適切な売出し価格を設定できません。そのため、自分でも土地の相場価格を調べておくとよいでしょう。
まったくの無知な状態で不動産会社へ任せていると足元を見られる可能性もあるため、自分でもおおよその相場価格は把握しておきましょう。

- 実勢価格
- 地価公示価格
- 相続税評価額
- 固定資産税評価額
上記は全国地価マップや土地総合情報システムを活用すると簡単に調べられます。
需要が高まる時期を狙う
土地の価格は頻繁に変動するため、売却のタイミングが数ヶ月変わるだけで価格に差が出る場合もあり、需要が高まる時期を狙うと高値で売れる可能性があります。
一般的に不動産の需要が高まる時期は1月〜3月です。
なぜ需要が高まるかというと、転勤や進学などの生活環境が変わるタイミングが影響しているためです。9〜10月も企業の人事異動のタイミングと重なるため転勤する人が多く不動産業界では、第二の繁忙期とも呼ばれています。

土地売却を得意とする不動産会社に依頼する
なるべく高く土地を売却したいのであれば、契約する不動産会社も重要になります。
不動産会社は会社ごとに得意分野があるため、土地売却を得意としている会社へ依頼すると高値で売却できる可能性が上がります。

土地売却ならまずは一括査定がおすすめ


土地査定を依頼するのであれば、一括査定サイトがおすすめです。
一括査定サイトであれば、複数の不動産会社から査定してもらえるため、一社ずつ申し込む手間がはぶけて効率的ですし、ほかにもさまざまなメリットがあります。
複数の不動産会社から査定を受けられる
一括査定サイトでは一度にたくさんの不動産会社から査定を受けられるため、査定額を比較して高く売ってくれる不動産会社に出会いやすくなります。
一括査定サイトに参加している不動産会社としても、競合を意識して高めの査定額を提示してくれる可能性があります。
査定額だけでなく、不動産会社ごとの特徴やサービスの違いを分かりやすく解説しているサイトも多く、自分に合っている不動産会社を選びやすく、自分に合っている不動産会社や営業担当者に出会える点も魅力です。
土地の売買はやり取りする金額も大きくなるため、納得のいく取引をするには信頼できる担当者との出会いも大切です。
一括査定サイトで土地査定を依頼すると、売主の希望に応じてメールや電話で連絡があり、一括査定サイトを介して効率よく担当者と接点が持てます。
効率よく査定を依頼できる
一括査定サイトにはたくさんの不動産会社が参加しているので、売りたい土地を査定してくれる不動産会社を見つけやすく、オンライン上で簡単に依頼まで済ませられます。
そもそも、土地に限らず不動産の売却時には複数の不動産会社に査定を依頼するのが基本です。土地には決まった価格はなく、需要と供給で相場価格は変動するため、一社だけで査定を受けた場合、査定額の正確さや正当性を判断する材料がなくなってしまいます。
不動産会社ごとに土地査定を依頼する場合、手間も時間もかかりますが、一括査定サイトを利用すると自宅に居ながら簡単に依頼可能です。査定額が出るまでも早く、売却を急いでいる人にもおすすめできます。
無料で利用できる
一括査定サイトは無料で利用できる点もおすすめのポイントです。

土地に限らず、不動産の仲介手数料は成功報酬で、土地が売れるまでは売主が不動産会社にお金を支払うシーンは原則ありません。
土地売却の方法や流れまとめ

土地売却をした翌年は確定申告する必要があるため、忘れないように注意してください。また、土地売却では下記の注意点も覚えておきましょう。
- 隣接地との境界を明確にしておく
- 瑕疵がないか確認しておく
- ローン残債がどれくらいあるか確認しておく
- 必要書類がそろっているか確認しておく
上記注意点を意識して土地売却に挑めば失敗する確率も低くなるでしょう。まずは一括査定サイトからの査定依頼をおすすめします。