不動産売却にかかる税金は?

不動産売却にかかる税金は?いつ払うかや計算方法、税金対策を解説

不動産を売却して利益が出たときは、税金を納める必要があります。売却にかかる税金についてシミュレーションしておかないと、不動産売却後に想定外の出費がかかって困惑する可能性があります。

そこでこの記事では、不動産売却にかかる税金や税金対策について解説します。不動産売却後に慌てないように、不動産売却にかかる税金は売却前に確認しておきましょう。

不動産売却にかかる税金は3種類

不動産売却にかかる税金は3種類

不動産売却にかかる主な税金は、「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得税」の3種類です。金額や支払いのタイミングを下表にまとめました。

種類 概要 金額 タイミング
印紙税 課税物件に該当する一定の書類に課せられる税金 5,000円~3万円程度 売買契約時
登録免許税 不動産の名義変更にかかる税金 固定資産税評価額×税率(1.5%~3%) 引き渡し時
譲渡所得税(所得税、住民税、復興特別所得税) 不動産売却で利益が出たときにかかる税金 (売却価格-取得費用 譲渡費用-特別控除額 ) × 税率(20%~39%) 売却後

不動産売却の際にかかる税金には大きく分けて、「売却手続きにかかる税金」と「売却して利益が出たときにかかる税金」の2種類です。

売却手続きにかかる税金は印紙税登録免許税の2種類、そして売却して利益が出たときには譲渡所得税がかかります。

支払いのタイミングは、印紙税が売買契約時、登録免許税が引き渡し時です。譲渡所得税については、所得税と復興特別所得税は原則として売却した翌年の2月16日~3月15日、住民税は売却した翌年度の6月以降となっています。

このほかにも仲介手数料や銀行手数料などに消費税が課税されます。不動産売却前に、かかる税金をおおまかに把握しておくと安心です。

不動産売却売却の手続きにかかる「印紙税」と「登録免許税」

不動産売却売却の手続きにかかる「印紙税」と「登録免許税」

不動産売却の手続きにかかる税金は、印紙税と登録免許税の2種類です。それぞれの金額について解説していきます。

印紙税

不動産売却手続きにかかる税金の1つ目は、印紙税です。印紙税とは、課税物件に該当する一定の書類に課せられる税金です。

印紙税は、売買契約時にかわす不動産売買契約書に、契約金額に応じた収入印紙を貼付することで納税します。平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成される不動産の譲渡に関する契約書について、以下の通り軽減措置が適用されます

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下 10,000円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下 20,000円 10,000円
5千万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
5億円を超え10億円以下 200,000円 160,000円

参考:国税庁

一般的な住宅なら、印紙税は5,000円~30,000円程度を想定しておくとよいでしょう。

登録免許税

不動産売却手続きにかかる税金の2つ目は、登録免許税です。登録免許税は、不動産の名義を変更するときにかかる税金です。

売買や相続などで不動産の所有権が移転した際は、所有権移転登記という手続きを行います。売却によって所有権を移転をする場合の登録免許税は、「固定資産税評価額×2%」です。令和4年3月31日までは軽減税率が適用され、「固定資産税評価額×1.5%」となります。

参考:国税庁

不動産売却で利益が出たときにかかる「譲渡所得税」

不動産売却で利益が出たときにかかる「譲渡所得税」

不動産売却で利益が出たときには、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税の内訳は、所得税と住民税の2種類です。さらに、2037年までは復興特別所得税と呼ばれる税金が徴収されます。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、売却価格から売買にかかった費用を引いたものです。売却価格から売買にかかった費用を差し引いて、利益が出た場合は確定申告をする必要があります

譲渡所得は「不動産の売却価格-(物件の取得費+譲渡費用)」で計算できます。取得費と譲渡費用の意味は以下の通りです。

  • 取得費:不動産の購入価格、購入にかかった諸費用
  • 譲渡費用:不動産売却にかかった費用

売却する不動産が建物の場合、取得費から減価償却費を引きます。減価償却費とは、経過年数による建物の価値の減少分をあらわす費用です。減価償却費は、「取得価額×0.9×償却率× 経過年数」で計算できます。

参考:国税庁

経過年数における1年未満の端数は、6ヶ月以上は1年、6ヶ月未満は切り捨てます。償却率については下表を参考にしてください。

構造 耐用年数 償却率
鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造 70年 0.015
れんが造、石造又はブロック造 57年 0.018
金属造 骨格材の肉厚4mm超 51年 0.020
骨格材の肉厚3mm超4mm以下 40年 0.025
骨格材の肉厚3mm以下 28年 0.036
木造または合成樹脂造 33年 0.031
木骨モルタル造 30年 0.034

参考:国税庁

実際の取得費が不明な場合は、譲渡価額の5%を概算取得費とします。例えば、土地建物を2,000万円で売った不動産の取得費が不明のときは、売った金額の5%相当額である100万円を取得費とします

参考:国税庁

譲渡所得税は所有期間によって税率が変わる

譲渡所得税は所有期間によって税率が変わります。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、所有期間が5年以上の場合は「長期譲渡所得」となり、税率は以下の通りです。

譲渡所得税の種類 所得税率 住民税率 合計税率
短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合) 30% 9% 39.63%
長期譲渡所得(所有期間が5年超の場合) 15% 5% 20.315%

参考:国税庁

2037年までは復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます。上表の合計税率には復興特別所得税を加算済みです。

不動産売却による所得は、給与所得や事業所と分離して計算する分離課税制度が採用されています。他の所得と通算できないため、不動産売却で利益が出た場合は会社員でも確定申告が必要です。

参考:国税庁

不動産売却時に譲渡所得にかかる税金対策4つ

不動産売却時に譲渡所得にかかる税金対策4つ

不動産売却時の税金対策として知っておきたいのが、特別控除や軽減税率などの税制上の特例です。不動産売却時に知っておきたい税金対策を4つ紹介します。

1.居住用財産の3,000万円特別控除

マイホームを売却して一定の要件に当てはまる場合、譲渡所得から最大3000万円の控除を受けられる制度があります。

参考:国税庁

ただし、住宅ローン控除との併用はできません。売却後にマイホームを購入する予定がある場合は、どちらの控除の適用を受けるかを事前に決めておきましょう。また、相続した住居を売却する場合も対象外です。

その他にもさまざまな適用条件があるため、国税庁の公式サイトで確認するか、税理士に相談することをおすすめします。

2.10年超所有軽減税率の特例

マイホームの所有期間が譲渡した年の1月1日において10年を超えている場合、課税譲渡所得のうち6,000万円までは以下のように税率が下がります

所得税率 住民税率 合計税率
課税譲渡所得6000万円以下の部分 10.21% 4% 14.21%
課税譲渡所得6000万円超の部分 15.315% 5% 20.315%

参考:国税庁

「居住用財産の3,000万円特別控除」と併用ができるため、該当する場合は合わせて利用しましょう。

3.特定の居住用財産の買い換えの特例

令和5年12月31日までにマイホームを買い換えたときは、「特定の居住用財産の買い換えの特例」を利用できる可能性があります。

特定の居住用財産の買い換えの特例とは、一定の要件のもとで譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例です。

参考:国税庁

「特定の居住用財産の買い換えの特例」では、所有期間と居住期間がその年の1月1日時点で10年を超えていることが条件となります。売却代金が1億円以下であることも条件です。

「居住用財産の3,000万円特別控除」や「10年超所有軽減税率の特例」との併用はできません。また、住宅ローン控除との併用もできないため注意しましょう。

4.被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に相続した空き家を売却する場合は、一定の要件を満たせば3,000万円の特別控除を受けられます

参考:国税庁

譲渡の時において一定の耐震基準を満たすもの、もしくは家屋を解体している更地になった土地が対象となります。昭和56年5月31日以前に建築されたこと、売却代金が1億円以下であることなど複数の要件があるため、国税庁の公式サイトで確認するか、税理士に相談しましょう。

おすすめの不動産査定サイト

おすすめの不動産査定サイト

不動産売却にあたっては、不動産会社選びが重要なポイントです。親身になってくれる不動産会社であれば、税金についても詳しく教えてくれます。

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不動産売却にかかる税金をシミュレーションしよう

不動産売却にかかる税金をシミュレーションしよう

不動産を売却したときは各種税金がかかるため、売却金額がそのまま手元に残るわけではありません。不動産売却を検討しているなら、税金に関する知識を身につけ、事前にシミュレーションしておくと安心です。

とはいえ、税制は複雑かつ特例の要件などは日々変化しているため、すべてを把握するのは難しいでしょう。正確な金額を知りたい場合は、査定をした不動産会社や税理士などに相談したほうが確実です。税務署の相談窓口などもあるため、ぜひ活用してみてください。

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失敗しない不動産の売却をサポート!「はじめての不動産売却査定」編集部です!不動産の売却に関しては税金や商慣習などわからないことだらけです。「はじめての不動産売却査定」では、不動産売却に関する本当に知っておきたい大切なことをわかりいやすくシンプルに伝えるメディアです。