不動産売却の注意点

不動産売却の注意点17選|損をしないために失敗事例も紹介

不動産売却の際には、注意すべき項目がたくさんあります。しっかりと注意点を把握しておかなければ、不動産売却は失敗してしまうことも珍しくありません。

「初めての不動産売却でうまくいくか不安だ…」「不動産売却の注意点とは」「不動産売却を成功させたい」

この記事では上記のような悩みを解決するために、不動産売却の注意点とよくある失敗例について解説します。

注意点を事前に把握しておくことで、不動産売却の成功に一歩近づけるため、よく覚えておいてください。

初めての不動産売却時の注意点

初めての不動産売却時の注意点

不動産売却は、多くの人が人生で何度も経験するようなことではありません。初めて不動産売却する人は、分からないことだらけで不安に感じるでしょう。

不動産売却する際は注意すべきポイントがたくさんあります。「注意点が多すぎて心配だ」という人も多いでしょう。

そこで、初めて不動産売却する人が、ここだけは押さえておくべき注意点について解説していきます。

不動産売却の流れを把握する

まずは、どのような流れで不動産売却が行われるのかを把握しておきましょう。

不動産売却は下記のような流れで進みます。

  1. 査定
  2. 不動産会社との契約
  3. 売却活動
  4. 買主が見つかれば売買契約を結ぶ
  5. 決済後に物件を引き渡して取引終了

不動産売却には、3ヶ月〜6ヶ月程度の期間がかかることも覚えておきましょう

不動産売却の流れについて詳しく知りたい方は、下記を参考にしてみてください。

参考元:家を売る−公益社団法人 全日本不動産協会 不動産保証協会

査定は複数の不動産会社へ依頼する

不動産会社に査定依頼する際は、1社ではなく必ず複数社へ依頼しましょう。

なぜなら、不動産の査定額は、不動産会社が独自に算出したものであり、会社ごとにばらつきがあるからです。

そのため、1社の査定だけで契約する不動産会社を決めてしまうと、数百万円単位の損失を出してしまう可能性があります。

相場価格を把握し、適正価格で売り出すためにも必ず複数の不動産会社へ査定を依頼しましょう。

不動産査定を依頼する際は、1度に複数社へ依頼できる一括査定サイトを利用することをおすすめします。

査定額=売却価格ではない

不動産会社による査定額は、あくまで不動産会社が独自に算出したものであるため、必ずしもその価格で売れるわけではありません。

不動産会社の中には、契約欲しさに相場よりも高めの査定額を提示してくるところもあります。そのため、高い査定額を提示されたからといって、すぐに契約しないようにしましょう。

査定額が積雪かどうかを判断するためにも、複数社へ依頼し、査定額の相場を把握することが大切です。

ローン残債がある場合は一括返済する必要がある

住宅ローンが残っている場合、ローン残債を一括返済しなければ不動産売却はできません。

これは金融機関が設定している抵当権が関係しています。

抵当権とは、住宅ローンを組む際に、金融機関が不動産に対して設定する権利のことであり、簡単に言うと担保のことです。

抵当権は、住宅ローンを完済しなければ解除されないため、住宅ローンの返済途中で売却したい場合は、ローン残債を一括返済する必要があります。

不動産の売却価格がローン残債を上回れば問題ありませんが、売却価格がローン残債を下回った場合は、足りない分を自己資金から支払わなければなりません。

また、任意売却や住み替えローンを利用して売却する方法もあります。

不動産売却の翌年は確定申告する

不動産売却で得た所得は、譲渡所得と呼ばれる所得に分類され、課税対象です。そのため、翌年の2月15日〜3月15日の間に確定申告する必要があります。

利益が出ていない場合でも、特例によって税金が安くなる可能性があるため、必ず確定申告しましょう。

譲渡所得の計算式は下記の通りです。

・売却価格−取得費−譲渡費用=譲渡所得

※取得費とは、売却した不動産を購入したときの金額および、その際にかかった費用のことです。
※譲渡費用とは、不動産売却の際にかかった費用(仲介手数料や印紙代など)のことです。

参考元:譲渡所得の申告の仕方−国税庁
参考元:譲渡所得の計算方法−国税庁

不動産売却を開始する際の注意点一覧

不動産売却を開始する際の注意点一覧

不動産売却には、まだまだたくさんの注意点があります。ここでは残りの注意点を全て紹介していきます。

不動産売却には「仲介」と「買取」の2種類ある

不動産売却の方法には、仲介と買取の2種類があることを覚えておきましょう。

それぞれの違いは下記の通りです。

売却方法 詳細
仲介 不動産会社に仲介を依頼し、一般の人の中から買主を見つける方法です。

相場に近い価格で売却できますが、売却までに3〜6ヶ月程度の時間がかかります。

買取 不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

買主を探す必要がないため、1ヶ月程度で売却できますが、売却価格は相場よりも安くなってしまいます。

買取の価格が相場よりも安くなってしまう原因は、転売目的で不動産会社が買い取るためです。仲介であれば、不動産会社は仲介手数料で利益を出しますが、買取の場合は、買い取って転売することで、利益を出します。

つまり、相場価格で買い取ると利益が出せないため、相場価格の6〜8割程度での買取となってしまいます。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った売却方法を選ぶと良いでしょう。

不動産売却に必要な費用を把握しておく

慌てて用意することのないように、不動産売却にかかる費用を事前に把握しておきましょう。

不動産売却の際に必要な費用は下記の通りです。

  • 不動産会社への仲介手数料:売却価格に応じて3〜5%
  • 印紙税:売却価格により変動 参考元:不動産売買契約書の印紙税−国税庁
  • 抵当権抹消費用:1,000円、司法書士に依頼した場合は、16,000円程度の手数料が必要
  • 譲渡所得税:不動産の所有期間によって税率が変動

必要書類を事前に用意しておく

不動産売却する際はさまざまな書類が必要です。事前に必要書類を用意しておくことで、査定から売却までの流れがスムーズに進みます。

準備不足にならないためにも、事前に不動産会社へ必要書類を確認しておくと良いでしょう。

中には、すでに紛失してしまっている書類もあるかもしれません。再発行に時間がかかる書類もあるため、早めに準備しましょう。

契約不適合責任に注意する

契約不適合責任とは、契約内容には記載されていないことが後々判明した場合、売主側が負担する責任のことです。

物件の瑕疵(不具合)などが後から判明した場合、損害賠償責任や契約解除となる可能性があるため注意しましょう。

トラブルを避けるためにも、物件に瑕疵がある場合は、必ず不動産会社へ伝えておかなければなりません。

自分でも相場価格を把握しておく

不動産売却する際は、自分でも査定額の相場を把握しておきましょう。そうすることで不動産会社の査定額が適切かどうか判断できます。

不動産会社の中には、相場価格よりも高い金額を提示してくるところもあります。そのとき、全くの無知だと不動産会社に足元を見られる可能性もあるため注意しましょう。

相場価格は不動産情報サイトや査定シミュレーションを利用することで把握できます。

不動産会社の得意分野を把握しておく

契約する不動産会社を選ぶ際は、不動産会社の得意分野を把握しておきましょう。実は不動産会社にはそれぞれ得意分野があります。

  • 戸建て売却を得意としている
  • マンション売却を得意としている
  • 土地売却を得意としている
  • 賃貸を得意としている
  • 売却を得意としている

不動産売却を成功させるためには、不動産会社選びはとても重要です。売却実績などを確認しながら慎重に選びましょう。

ちなみに、大手企業だからといって安心できるわけではありません。特にマンション売却には確認事項が多く専門性が高いため注意しましょう。

担当者が信頼できるかどうか見極める

不動産売却を成功させるためには、不動産会社の担当者の力量も影響します。そのため、不動産会社と契約する前に、信頼できる担当者なのかどうかを見極める必要があります。

  • 十分な知識量があるか
  • 対応は適切か
  • 親身になってくれるか

上記のような様々な視点から信頼できる担当者かどうかを判断しましょう。

媒介契約は3種類ある

不動産会社と契約する媒介契約には、下記の3種類があります。

  • 一般媒介
  • 専任媒介
  • 専属専任媒介

それぞれの詳細は下記の通りです。

一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
自分で買主を見つけること 可能 可能 不可能
複数の不動産会社と契約 可能 不可能 不可能
レインズへの登録 登録の義務はない 7日以内に登録 5日以内に登録
不動産会社から売主への状況報告 報告の義務はない 2週間に1回以上の頻度で報告 1週間に1回以上の頻度で報告

それぞれ契約内容が違うため、自分に合ったものを選びましょう。

内覧時は印象を良くするための工夫をする

内覧時の印象は購入意欲に影響するため、良い印象を持ってもらえるように努力しましょう。

内覧の前は、清掃は必ず事前にやっておき、部屋が広く綺麗に見えるように家具の配置を変えたりするのも良いです。

また、売主も身だしなみを整え、印象の良い対応を心がけましょう。

不動産会社の囲い込みに注意する

不動産会社の中には、囲い込みをするところがあるため注意しましょう。

囲い込みとは、買主と売主を自社の顧客の中から見つけてくる方法です。囲い込みをされると売却までに時間がかかってしまう可能性が高くなります。

契約前に囲い込みをしないことを担当者へ確認しておきましょう。

リフォームは基本的に必要ない

不動産売却前のリフォームは、基本的には必要ありません。確かにリフォームすることで不動産の査定評価を上げることはできます。

しかし、リフォーム費用を上回る利益を出せるかどうかはわかりません。買主の中には、リフォームやリノベーションを前提として物件を探している人もいるため、基本的には必要ありません。

したがって、リフォームするかどうかは担当者とよく相談して決めましょう。

売買契約は簡単に解除できない

買主との売買契約は簡単には解除できないため、契約する際は慎重に行いましょう。契約内容に不備がないか記載漏れはないかなとしっかりと確認する必要があります。

売買契約が解除できるのは、手付金や契約不適合責任に不備があった場合であり、簡単には解除できないため注意しましょう。

不動産売却でよくある失敗例

不動産売却でよくある失敗例

ここでは不動産売却でよくある失敗事例を紹介していきます。これから不動産売却しようと考えている人は同じ失敗をしないように注意してください。

時間がなくて希望の価格で売却できなかった

売却を焦ってしまい希望の価格で売れなかったパターンです。引越し日がすでに決まっている場合や希望の売却時期が決まっている場合は、早めに売却準備を始めましょう。

必要書類を早めに準備したり、不動産売却にかかる時間を把握しておくことで対策できます。

不動産会社選びを間違えた

適当に不動産会社を選んでしまい失敗するパターンです。このような失敗を防ぐためには、売却する不動産の種類にあわせて専門の不動産会社を選びましょう。

不動産会社を選ぶ際は、売却する物件に慣れている業者かどうか、売却実績はあるかを確認しておきましょう。

不動産会社選びは、売却を成功させるために非常に重要な工程であるため、慎重に行う必要があります。

売り出し価格やタイミングを間違えた

売り出し価格の設定やタイミングを間違えて失敗したパターンです。不動産の売り出し価格は、適正価格を設定しないと当然売れません。

また、不動産には需要の高まる時期と下がる時期があります。そのため、需要の低い時期に売り出してしまうとなかなか売却できません。

不動産売却するのであれば、相場価格は自分でも調べておいた方が良いです。また、売却のタイミングも選択できる猶予があるなら需要が高い時期を狙いましょう。

不動産売却する際の注意点まとめ

不動産売却する際の注意点まとめ

不動産売却する際は、たくさんの注意点があります。初めて不動産を売却する人はわからないことも多く、注意点をすべて把握しておくのは難しいでしょう。

そのため、最低限下記の注意点は覚えておいてください。

  • 不動産売却の流れを把握しておく
  • 査定は複数の不動産会社へ依頼する
  • 査定額=売却価格ではない
  • ローン残債がある場合は一括返済する必要がある
  • 不動産売却した翌年は確定申告する

不動産売却する際はたくさんの注意点がありますが、まずは査定を依頼し、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

ABOUTこの記事をかいた人

失敗しない不動産の売却をサポート!「はじめての不動産売却査定」編集部です!不動産の売却に関しては税金や商慣習などわからないことだらけです。「はじめての不動産売却査定」では、不動産売却に関する本当に知っておきたい大切なことをわかりいやすくシンプルに伝えるメディアです。