土地の売却を考えたら、まずは土地がどれくらいで売却できるか土地査定を受けるところから始めます。
しかし、初めて土地の売却を考えている人には、どのように査定をしてもらえばいいのかわからないことばかりです。
土地査定のやり方にはいくつか種類がありますが、売りたい理由や時期によっておすすめの査定方法が異なります。

もくじ
土地査定の種類|アプローチ方法には2つのアプローチがある

土地査定は不動産会社を始めとした査定のプロに依頼する方法以外にも、自分である程度の査定額を調べられます。
どちらの査定方法にもメリットとデメリットがあり、最適な査定方法は人によって異なります。

それぞれの査定方法を理解して、自分に合った土地査定をしましょう。
土地査定額を自分で調べる
土地には公的評価額が3つあり、それぞれの指標をもとにおおよその査定額を確認できます。いずれの方法も個人で簡単に確認ができるため、土地売却の時期が決まっていない人にもおすすめできる査定方法です。
いずれも公的に定められた基準価格ですが、実際の販売価格とは誤差が大きい場合もある点はデメリットです。

公示地価から調べる
公示地価とは国内約26,000地点で国土交通省が定めた土地の価格です。国が土地を購入する場合や、公的な手続きで土地の価格を算出する際にも参考にされます。
土地に建物が立っていた場合、建物の価値には左右されず、更地の土地として評価された価格が設定されます。
公示地価は毎年1月1日時点の価格が3月中に発表され、国土交通省のサイトからオンラインで誰でも簡単に確認ができます。公示地価は実際に売買される金額である実勢価格の90%程度になるケースが多く、平均すると実勢価格よりは低めです。

路線価から調べる
路線価とは国内約336,000地点で国税庁が定めている土地の価格です。
相続税や贈与税の金額を算出するためのもので、公示地価の約80%の価格になるように設定されています。路線価は国税庁のサイトからオンラインで誰でも簡単に確認できます。
一般的に現金よりも土地で相続した方が節税になるとされているのは、公示地価の約80%になるように設定されているためで、実際の取引額は路線価より高くなる場合が多いです。
路線価は道路に面した土地の価格で公示地価よりも調査地点が多いため、住宅地の土地査定に使うなら、個人でも調べやすい指標です。
参照元:路線価 – 国税庁
固定資産税評価額から調べる
固定資産税評価額とは、各自治体が定めた土地の価格です。固定資産税の金額を算出するために定められており、公示地価の約70%の価格になるように設定されています。納税通知書に記載されている土地の評価額を0.7で割れば、所有している土地のおおよその公示地価を求められます。
納税通知書を紛失している場合は、各自治体の役所で固定資産税評価証明書を取得できるほか、土地の所有者でなくても一般財団法人資産評価システム研究センターのサイトからおおよその評価額を確認できます。
固定資産税評価額が公示価格よりもかなり低い水準に設定されているのは、毎年徴収される固定資産税が不当に高い金額にならないようにするためです。
参照元:固定資産税の概要 – 総務省
土地査定を依頼する
土地査定は不動産会社が査定する簡易査定と訪問査定、また不動産鑑定士が査定する方法があります。いずれも自分自身で土地査定をするよりも精度が高い点がメリットです。

簡易査定(机上査定)を依頼する
簡易査定とは机上査定とも呼ばれ、不動産会社が現地を訪問せずに土地査定する方法です。
自分で土地査定をするよりも、土地の詳細をプロとコミュニケーションを取りながら確認できるため、自分で査定する方法よりも精度は高い査定方法です。
しかし、実際に土地の状態、近隣施設の様子を確認できないため、訪問査定よりも精度は落ちます。特に土地に建物が立っている場合、建物の評価は現地で確認しないと分からない点が多く、正確な査定額が算出できない場合があります。
原則無料で査定を受けられるほか、オンラインやアプリで簡単に査定するサービスを提供している不動産会社もあるため、気軽に依頼できる点はメリットです。
訪問査定を依頼する
訪問査定とは、不動産会社が実際に現地を確認して土地査定する方法です。土地売買では公示価格を参考に査定額を算出しますが、公示価格で売れない可能性もありますし、買い手が殺到する場合もあります。
訪問査定では、データだけでは分からない土地の価格に影響を及ぼすポイントを確認して査定するため、より精度の高い査定額を期待できる点がメリットです。
簡易査定に比べると、土地の所有権証明をはじめとした書類の準備や、日程の調整といった手間がかかるため、すでに土地売却を決めている人に向いています。
不動産鑑定士に依頼する
国家資格の不動産鑑定士による査定は、公的な資料としても信頼度が高い査定方法です。市場で売却できそうな価格ではなく、客観的な事実に基づいた価格が算出されるため、相続や離婚調停で裁判所に提出する資料としても有効です。
不動産鑑定士の査定は公的な手続きで使用する場合に加え、不動産会社では価値を判断しにくい広大な土地や特殊な土地の査定でも使われます。
土地の所有権で問題を抱えていたり、親族間で土地の売買を検討していたりする場合も不動産鑑定士による客観的な土地査定がおすすめです。
不動産会社による査定は訪問査定でも原則無料ですが、不動産鑑定士による査定は有料で気軽に依頼できる方法ではありません。
土地査定を不動産査定サイトから依頼する場合

土地査定を不動産会社に依頼するには、不動産情報を提供している不動産査定サイトを経由する方法も選べます。不動産査定サイトを使う場合、メリットとデメリットがあるので理解して活用しましょう。
不動産査定サイトを利用するメリット
不動産査定サイトは、不動産会社はもちろんIT関連企業が運営しているサイトまで数多くのサービスから選べます。
それぞれで扱っている不動産や、得意としている地域、提供しているサービスで違いはありますが、いずれを選んでも必ず得られるメリットがあります。
不動産会社ごとの査定額を比較できる
不動産査定サイトの最大の魅力が、土地の査定を複数の不動産会社に依頼して査定額を比べられる点です。

不動産会社によっても得意な地域や不動産の種類は違うため、土地査定でも金額が大きくぶれる場合があるのです。
不動産会社ごとの査定額を比較できれば、相場価格の確認に繋がりますし、より高い査定額を付けている不動産会社は、高い金額で売却できる自信があり、高値で売ってくれる可能性があります。
時間と手間がかからない
不動産査定サイトはオンライン上で情報を入力するだけで簡単に依頼できるので、効率的に土地査定ができます。

多くの不動産会社に査定を出してもらうと、不動産会社同士を競わせたり、交渉の材料にしたりできますが、個人で複数の不動産会社と交渉するのは時間と手間がかかります。
もちろん、自分自身で土地の相場を調べる場合でも、前述したとおり公示価格や路線価を調査する手間がかかります。
不動産査定サイトは、売り手に有利な条件を引き出せる複数査定を、自宅に居ながら簡単にできるため、最も手軽で効率的な土地査定方法です。
信頼できる不動産会社を選べる
複数の不動産業者を手軽に比較できるため、信頼のできる不動産業者に出会いやすい点も魅力です。土地の査定価格だけではなく、査定額を提示する際の連絡手段や、電話対応時の担当者の印象、扱っているサービスの違いとさまざまな要素を比較できます。
不動産会社ごとに担当者はもちろん、提供しているサービスが違うので、自分に合っている不動産会社は異なります。
また、査定額が比較できると、明らかに相場とずれている査定額も分かりやすく、信頼できない査定をする不動産会社を見分けられる点も魅力です。
高額なやり取りになるため、担当者が親身になって相談に乗ってくれるかどうかも大切で、実際に訪問査定に移る前に、自分と相性が合いそうかも確認できます。不動産査定サイトの担当者が間に入って不動産業者とのやり取りをサポートしてくれるサービスを提供しているサイトなら、第三者の立場から意見を聞けてさらに安心です。
不動産査定サイトを利用するデメリット
不動産査定サイトを利用する際には注意点もあります。一度にたくさんの不動産業者に情報が渡るため、個人情報に関連したリスクが高まる点です。
個人情報が流出する可能性がある
査定を依頼した数だけ、個人情報を渡す必要があるため、個人情報流出のリスクがあります。
最終的に契約しない不動産業者にも個人情報を渡す必要がありますし、提携不動産会社数の多さは、査定額を高く出してくれるメリットがある反面、悪徳業者が紛れ込んでいる可能性もあります。
不動産査定サイト独自で個人情報保護に関して対策をしている場合も多く、個人情報の扱いに関して確認が大切です。

営業電話がたくさんかかってくる場合がある
査定を申し込んだ数だけ、不動産業者と応対する必要があります。訪問のない机上査定を依頼できる不動産査定サイトであっても、不動産会社から電話やメールで連絡があったり、資料が送られてきたりする場合もあります。
また、不動産査定サイトによっては机上査定依頼に対応しておらず、不動産会社を紹介するだけのサービスもあるため、申し込んだ不動産会社全てと一度に対応しなければなりません。
不動産査定サイトの中には、匿名で土地の一括査定が依頼できるサイトや、電話番号を入力せずに依頼できるサイトもあります。
また、一括依頼時に不動産会社への要望を入力できるサイトなら、電話不可を申し伝えてくれるサービスや、トラブル時の対応を代行してくれるサービスを提供しているサイトもあります。
不動産査定サイトの利用をおすすめできる人
不動産査定サイトは使う人に応じてさまざまなメリットがあり、少しでもよい不動産会社と出会いたいと考えている人、みんなにおすすめできます。
土地の相場を自分で調べずに、手間と時間をかけずに不動産会社が査定する金額を調べられるので、まだ土地を売るつもりがない人でも査定を依頼しやすいです。

依頼する不動産会社が決まっている場合でも、他社との査定価格の違いを出せるので、交渉材料としても使えるため、不動産査定サイトは誰にでもおすすめできる土地査定方法です。
土地査定を不動産会社に直接依頼する場合

不動産査定サイトは多くの人にメリットがある査定依頼方法ですが、不動産会社に直接依頼する方法にもメリットはあります。

自分が土地査定をする場合を考えて、メリットとデメリットも理解したうえで依頼方法を考えましょう。
土地査定を不動産会社に直接依頼するメリット
不動産査定サイトを介さずに査定を依頼すると、すぐに不動産会社と直接交渉ができます。不動産査定サイトを使っても、最終的には不動産会社とやり取りをする必要がありますが、サイト経由と飛び込みの査定依頼では、不動産会社側の印象も異なります。
専門家のアドバイスが受けられる
不動産会社は不動産売買の現場です。不動産査定サイトに比べて扱っている土地に関する知識や情報は多く、適切なアドバイスを得られます。
不動産査定サイトで土地の一括査定を依頼しても、不明点がある場合は結局査定を依頼する不動産会社に確認をしなければならない場合もあります。
不動産査定サイトで独自に相談窓口を用意しているサイトであっても、土地固有の質問や不動産会社のサービスに関しては、回答を得られない場合が多いです。
売りたい土地に関して、不動産査定サイトでは入力しきれない質問や、売却に関する詳しいアドバイスを受けたい人は、不動産会社に直接問い合わせをした方が効率がよい場合もあります。
不安や疑問はもちろん、土地の詳細を不動産会社の担当者に直接伝えて査定ができるので、机上査定でも精度は高まります。

また、土地周辺の相場状況や、土地ならではの情報は担当の不動産会社しかわからないため、土地売却に有用な情報を得られる可能性もある点もメリットの一つです。
細かい条件に対応してもらえる
飛び込みの査定依頼顧客は契約まで至る可能性が高いため、不動産会社も柔軟に対応してくれる可能性があります。土地の一括査定サイト経由の依頼は、不動産会社にとっては他社と競合していて、契約の可能性が高くない依頼です。
対して飛び込みの査定依頼は競合数も少ない可能性が高く、契約をしてもらうために、よりきめ細かい条件に応えてくれる可能性が高いです。

机上査定は不動産会社ごとに明確な計算式で割り出されているため、査定額のなぜを現場で納得がいくまで確認可能です。不動産会社もあいまいな回答はできないため、お互いに信頼度の高い取引に繋げられます。
個人情報漏洩リスクがない
名前や店舗を、見たこともないような不動産会社にも依頼できてしまう不動産査定サイトに対して、不動産会社への直接依頼は個人情報の漏洩リスクが低い点もメリットです。
どの不動産査定サイトでも個人情報の扱いは気を付けていますが、不動産会社に個人情報が渡ってしまえば、管理は不動産会社ごとのモラルに任されてしまいます。

土地査定を不動産会社に直接依頼するデメリット
もちろん、不動産査定サイトを介さずに不動産会社に直接依頼する場合、デメリットもあります。
信頼性に疑問が残る
不動産会社に直接依頼してしまうと、土地を売りたい依頼主と不動産会社の二者でやり取りをするため、中立的な立場から物件の魅力や課題を客観的に評価できず、信頼性に疑問が残る点がデメリットです。
他社との競合がないと分かれば、不動産会社ごとの都合や営業戦略に合わせて査定額を算出したり、売却のアドバイスをしたりする可能性も考えられます。
例えば、不動産会社が有利になる買取契約を勧め、戦略的に買取価格を高めに設定し、査定金額を低めに設定する戦略を取られる場合もあります。
査定額を比較できない
机上査定でも不動産会社によって査定方法や価値評価基準が異なる場合があり、同じ土地でも査定結果を比較できないと正当な査定額かどうかを判断できません。

また、他社の査定金額が分かっていると、査定額の交渉ができるため、より高い査定額を引き出せる可能性があります。不動産査定サイトを利用しない場合でも、特別な事情がない限りは2社以上の不動産会社から査定金額を出してもらいましょう。
時間と手間がかかる
不動産会社に直接出向く必要があり、時間も手間もかかります。査定したい土地が近くにない場合、遠方の不動産会社まで出向く必要もあり、費用の発生も考えなければなりません。
土地査定で信頼度の高い査定額を得るためには、最低でも2社以上から査定を受けて、適正な価格を調査する必要があります。
多くの不動産会社に依頼すればするほど、査定額の信頼度が増すだけでなく、不動産会社に売り出し価格の交渉ができますが、依頼する会社が増えるほど時間と手間はかかります。
不動産会社によっては、ネットや電話で机上査定を依頼できる場合もあるため、依頼する前に確認してみるようにしましょう。
不動産会社への土地査定の直接依頼をおすすめできる人
依頼したい不動産会社が決まっており、すぐに売却活動を開始したい人にはおすすめできます。不動産一括サイトを介さずに不動産会社に直接依頼する方法は、すぐに売却に向けた行動が取りやすい点が最大のメリットです。
地方の土地や特殊な土地で、扱える不動産会社自体が2社程度しかないのであれば、直接依頼してしまった方がかえって手間がかからない可能性もあります。
また、以前利用した経験のある不動産会社や担当者、不動産会社が独自で提供しているサービスに魅力があって、依頼したい不動産会社が決まっている人も、直接依頼した方が効率よく売却を進められる場合もあります。
土地査定額を決めるポイント

土地査定額は公示価格を基準に、さまざまな要素で上下します。査定額に影響するポイントは大きく分けると街路画地条件、土地環境、周辺施設の3つに分けられます。

街路画地条件
街路画地条件とは土地の面積や周りの道路といった、土地そのものが持つ価格要因です。

それぞれ査定に影響する要因を解説します。
土地面積
一般的に土地面積は広くなるほど、坪単価も高くなる場合が多いです。面積が広ければ広いほど、さまざまな用途で活用できて買い手が付きやすくなり、査定額にもプラスになります。
しかし、土地の規制が厳しい地域では反対に坪単価が下がる場合もあります。例えば、第一種低層住居専用地域に定められている場合、立てられる建物の高さが最大でも12mまでと制限があるため、広すぎるとかえって使える用途が限定されてしまいます。
土地の形
正方形、長方形といった形が整った土地の方が査定額は高くなり、形がいびつになるほど用途が限定されるため、坪単価は下がる傾向にあります。
土地の形が査定額に影響する割合は面積にも関係しており、土地が広ければ多少形がいびつでも活用しやすいため、査定額への影響は低くなります。
近接道路
土地に接している道路が狭い場合、査定額が下がる場合があります。近接道路の幅が12m未満になると、幅に応じて建てられる建物の容積率が小さくなっていくためです。

もちろん、狭すぎる道路は車も通過しにくい点も、需要が下がる要因です。また、道路の舗装状況や一方通行をはじめとした規制状況も査定に影響します。
また、土地が2つの道路に接している角地や、並行する2本の道路に囲まれた二訪路地は、土地へのアクセス経路が増えるほか、建物の容積率も高くなる場合があり査定にプラスです。
利用規制の有無
土地には13種類の用途地域が定められており、それぞれで建てられる建物の種類や容積が限定されています。住宅地でも用途地域に種類があるため、利用方法の制限が多いほど坪単価は低下するのです。
土地面積の項目でも解説した通り、利用規制の有無による査定額への影響は土地面積と関連があり、規制が厳しい地域では面積が広くなるほど査定額は低下します。用途地域の種類は各自治体のサイトで確認ができます。

土地環境
土地査定では土地自体が持つ価格要因以外にも、土地周辺の環境も査定額を上下させる要因です。

日照や眺望
建物や地形の影響で、日当たりや眺望が悪い土地は査定額にもマイナスです。日当たりの観点からは、近接道路が南側に面していると日当たりがよくなるため、査定額にはプラスになります。
近接道路の項目で解説した角地や2本の道路と面している二方路地は、日照と風通しの観点からも評価が高くなりやすく、査定額にはプラスとなる土地です。
騒音
住宅地の場合は特に、交通量が多い場所や線路沿い、工場の操業音がするような土地は騒音や振動で評価が低くなります。騒音は実際に土地を訪問してみないと判断しにくく、机上査定では特に判断しにくい要素です。
近隣施設
近隣施設によって、査定額にプラスになったりマイナスになったりする場合があります。

駅からの距離
近隣施設の中でも最も査定額に影響しやすいのが駅からの距離で、近いほど土地の評価は高くなります。しかし、郊外地域で徒歩圏内に駅がない場合は、駅までの距離よりもバス停や生活利便施設との距離が評価のポイントです。
また、近隣駅のグレードによっても土地評価は変わります。例えば、特急列車が停車する駅と通過してしまう駅なら、停車する駅の方がグレードは高いと判断されます。
生活利便施設との距離
大型商業施設を始め、スーパーや薬局といった生活に必要な施設との距離が近いと査定額が高くなります。しかし、コンビニをはじめ、昼夜を通して人の出入りがある施設に隣接していると、防犯面や騒音の観点から査定額が低くなる場合もあります。
嫌悪施設の有無
ごみや汚水の処理施設、葬儀場や墓場といった一般的に不快感や嫌悪感を与える施設が近くにあると、土地の査定額が下がります。ほかにも、ガスタンクや火薬類貯蔵庫、原子力発電所といった危険なイメージがある施設も影響します。
土地査定前の準備

土地査定を少しでも高くするためには査定前の準備も大切です。

土地の整理
庭木や建物が残っている状態と更地の状態では査定額に違いが出てきます。庭木が残っている土地は買い手が付きづらく、査定額を下げる場合がほとんどです。
庭木を除去する際は、後々のトラブルを避けるためにも専門業者に依頼し、しっかり根元から掘り起こして更地にするようにしましょう。
また、建物が残っている場合、建物と土地は別々に査定されるため、土地の査定額に影響はありません。しかし、建物の価値がほとんどない場合、取り壊しを見込んだ価格として不動産全体の査定額は下がってしまいます。
建物の場合は不動産としての価値が残っている場合も多いため、土地査定と一緒に査定を依頼し、取り壊しにかかる費用と比べて、更地にすべきかどうかを判断しましょう。
必要書類を準備
土地査定では、所有している土地の境界が分かる測量図があると正確な査定ができます。ほかにも、実際に土地を売りに出すまでには土地の登記簿謄本や土地の権利書も必要になります。

しかし、測量図はもともと存在しない土地もあります。測量図がない場合、土地を売りに出す前に土地家屋調査士に測量の依頼が必要です。
測量図は境界線の詳細をしっかり確認するため、隣接する土地所有者の立ち合いも必要で手間も費用も掛かるため、まずは売りたい土地の測量図が存在するかどうかを早めに確認するようにしましょう。
アピールポイントの整理
訪問査定で伝わりにくいアピールポイントを事前に整理しておくと、査定時に印象がよくなる場合もあります。

時間帯に関わらず24時間営業しているスーパーが近くにある、冬でも日照がしっかり確保できるといった、当日伝わりにくい情報は整理しておきましょう。
また、査定にマイナスになる可能性がある情報も隠さずに伝えるようにします。前項で触れたような、嫌悪施設の有無や騒音といったマイナス要因を隠さずに伝えないと、後々のトラブルを招きかねません。
特殊な土地売却に必要な準備

売りたい土地の条件によっては、土地を売却するまでに必要となる準備があります。

売却活動を開始したいなら、自分の土地が該当するかどうかを確認しておきましょう。
農地指定されている土地
農地指定されている土地は農地法による規制で、売却に関する規制があったり、許可申請が必要だったりします。
農地の利用目的を変更する場合は、都道府県知事の許可が必要で、売却前に利用目的の変更が可能かどうかも確かめなければなりません。
また、農地の売却には、国や自治体による転業支援金や就農支援金といったサポートが受けられる可能性があるため、自治体や不動産会社に相談してみましょう。農地は扱える不動産会社も限られるため、不動産会社選びも大切です。
参照元:農林水産省「農地の売買・賃貸・相続に関する制度について」
市街化調整区域
市街化調整区域に指定されている土地は、そのままの状態では建物を建てられないため買い手が付きません。

市街化調整区域に建物を建てるためには都道府県知事の承認が必要で、許可がもらえるかどうかは自治体の判断によります。市街地の境目となる市街化調整区域は、地すべりの可能性がある土地や、地盤沈下の可能性がある地域も含まれており、別途地盤調査が必要になる場合もあります。
参照元:東京都土地整備局「開発許可制度」
賃貸している土地
賃料を取って誰かに貸している土地は、借地契約の内容によって価値が変わるため注意が必要です。土地を借りて利用する人の権利を借地権と呼びますが、借地権には契約内容によって普通借地権と定期借地権に分けられます。
普通借地権の場合、借主の意思が変わらない限り土地は返還されず、土地の利用価値が限定されてしまうため、土地の価値は下がります。
対して定期借地権は賃貸の期間を定めた契約で、期間が過ぎれば立ち退きを依頼できるため土地の利用自由度が高まり、査定額では有利です。
契約内容にもよりますが、いずれの契約の場合も立ち退きを依頼するなら、交渉や契約解除に伴う立ち退き料が発生します。立ち退きを依頼しない場合でも、賃貸契約の譲渡をはじめとした法的な手続きが発生するため、弁護士への依頼も念頭に入れる必要があります。
土地査定に関するよくある質問

土地査定でよくある質問をまとめました。分からない点をクリアにして土地査定を依頼しましょう。
匿名でも土地査定は可能?
不動産査定サイトでは匿名で土地査定ができるサイトも選べます。

しかし、匿名査定では、物件の詳細情報が伝えられないため、正確な査定額の算出が困難になります。特に土地査定においては、所在地情報の詳細を入力しない匿名査定ではおおよその査定額しか算出できないため、自分自身で調べる査定額とほとんど精度が変わらない可能性もあり、おすすめできません。
土地査定に費用はかかる?
土地を含む不動産査定は、裁判や離婚調停をはじめとした公的な資料として算出する場合以外、原則無料で受けられます。不動産査定サイトで土地査定を依頼する場合も同様で、依頼者側で費用負担はありません。
契約後の不動産会社には成功報酬として仲介手数料を支払う必要があります。また、得た利益に対して税金も発生するため、売却後には費用が発生します。
土地査定を理解して査定を進めよう

土地査定ではポイントや手順を理解していると、査定がスムーズに進むだけでなく、査定額が高くなる場合もあります。
土地売買は取引額も大きくなりますし、坪単価で数千円の違いでも土地全体では数百万円の違いになる場合もあります。
今回紹介した査定ポイントをよく理解して、後悔しない土地売却を目指しましょう。
土地査定のやり方はもちろん、査定額を決めるポイントや査定前の準備を分かりやすく解説します。